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相続専門情報誌「Appoggio」アポジオ発行中!

Appoggio vol.13 2008 winter


対談

建築から相続・不動産を経たコンサルの先に見えた世界とは

不動産業界で絶えずバイブルとなる名著を残した山崎隆氏と今の不動産を取り巻く現状について語り合った。建築から相続・不動産という共通の世界を歩んできた2人のFPコンサルタントが目指すものとは・・・それはひとつの宗教観でもある。
財営コンサルティング株式会社 代表取締役 山崎 隆さん
+本誌編集長・江里口吉雄
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江里口 新刊の『お金に困らなくなる マイホームの買い方・つかい方』をお贈りいただき、ありがとうございました。面白く読ませていただきました。
山崎 おかげさまでそこそこ売れています。
江里口 『東京のどこに住むのが幸せか』も話題になりましたが、精力的に執筆されていますね。こうした一連の著書には何かきっかけがあったのですか?
山崎 この2冊は内容的にはセットなのですが、実は別にベースがあるのです。『エリア別データ2万件の定量分析による東京マンション資産価値予測』という、超マニアックな本。この調査に基づいてあとの2冊を書いた。これね、自分で言うのもなんだけど日本初の試みですよ。今までの住宅評論家だの不動産投資コンサルタントだのは、みんな適当なことを言っている。ここは有望だとか有望じゃないとか。で、それは違うよと。この本の一番の売りは、データとその根拠を歴史でチェックしたこと。歴史で定性分析をして、統計データで定量分析。定量分析と定性分析を組み合わせて街の未来を占った。 将来性のない街でいくらいい不動産を買ったってダメよ という論法です。この本に勝てるものは二度と出ないでしょう。これを書くのに、調査費とか単純作業で1000万円以上のコストがかかっています。1万円で買えるのだから、超お買い得ですよ。
江里口 印税では回収できないですね。今度、買っておきます。『マイホームの買い方・つかい方』は物語的で私はどんどん読み進んだんですが、最後は鑑定の専門分野に入ってきていますね。
山崎 そう、実はこれは鑑定の本なのです。
江里口 『初歩から学ぶ鑑定なんとか』なんていうタイトルでもおかしくない。
山崎 ガチガチに鑑定理論にのっとって書いているからね。
江里口 それを『お金に困らなくなる マイホームの買い方・つかい方』なんて、編集もヤルね。ところで、ベースになったこの鑑定データの本ですが、出版のきっかけは?
山崎 ダイヤモンド社に、こんなことを考えているのだけどどうですか? って話したら、いいですよということで。
江里口 企画が通ったわけですね。
山崎 実は前に2冊出していて実績があったのです。『不動産でハッピー・リッチになる方法』(2005年)と『マイホームは「貸せる物件を」買いなさい!』(2000年)。内容的にはこの二つは同じで、名前を変えた改訂版。結構売れたので、ダイヤモンド社にとってリスクのない作家なんですよ。でも、こんなデータの本は二度と作りたくない。もう疲れた。この本の趣旨はデータじゃなくて街の読解力講座なんですよ。要するに、どうやって街をみていくかという街の読解力。
江里口 山崎さんのニュータウンについての分析、私も多摩ニュータウンを見ていて実感しています。ニュータウンの人口分布が、最初若い夫婦と子どものひょうたん型で、20年、30年と経つうちに高齢者ばっかりのキノコ型になる。最後はゴーストタウン。
山崎 千里とか夕張とか、全国各地で死んでしまう街がたくさんある。 じゃあ、死なない街ってどこなの? ということで、日本初、山崎隆が解答を出したわけですよ。ファミリータイプの賃料が高いところ、ここは死なない。なぜか? 人口動態が活発だから。人口が増えるというのはダメです。街には開発期、成長期、成熟期があって衰退期がある。ほとんどの街は人口論で見ると衰退期に入っていくのです。中産階級の一次取得層が大量に入ってきて、その人たちがいなくなったらアウト。ところが、賃貸のマーケットがきちっとできているところは成熟期のままサステイナブルな状態が続くわけですね。こういうことが統計で全部わかります。衰退期に入ろうとしている街で不動産を買っても、最終的にはクズ、ゴミになるだけ。
江里口 戦後の日本の街は高度成長期から今まで、ほとんどが持続可能になっていない。ひょうたん型からきのこ型で終わっている。
山崎 要するに、不動産はマイホームといったって、自分で住むだけでなくて、他人に貸す、他人に売るという三つの機能をもっている。その資産価値をきちんと押さえて買わないと、何十年後かに破産するよと言っているのですよ。逆にいうと、いいところを買えばちゃんと財産形成できる。だから、投資家も読んでいるし、普通のマイホーム取得層も読んでいる。
江里口 いま賃貸業界が一部そういうコンセプトを打ち出し始めています。貸すことを前提でマイホームを買う、とりあえず新婚時代に3000万〜4000万の1LDKを買って住む。子どもが生まれたら1LDKじゃ住めないから、今度はそれを家賃15万で貸して、郊外に15万の家賃で借りたらどうですか?80、 100借りられますよ。そういう推奨型を言う人がでてきていますね。
山崎 うん、私の理論の変則型ですね。
江里口 私は目黒生まれで、子どもの頃はまさに「三丁目の夕日」の世界でした。家を一歩出ると、街があって縁日もやっているし、いろんな年代、いろんな人がいた。要するに、ひょうたん型の人口構造じゃなかったの。
山崎 本当は、最低百年は街の歴史が欲しいけどね。百年ないと、世代間が自動的に循環する構造になっていない。いまの時代、基本的に街の寿命は30年。恐ろしいことに、住宅ローンを払い終わる頃には街が衰退している。じゃあ30年で衰退しない街ってどうなのっていうと、まず百年くらいの歴史がある。つりがね型の入れ替わり可能な人口構造になっている。地場産業がしっかりしている。それからファミリータイプの賃料が高い街。逆にいうと、これが30年で衰退しない街を選ぶための、最低限の条件ですね。
江里口 住宅を売る仕事をやってきたからわかるけれども、ほとんどの人が昔の田園都市線沿線みたいな、郊外の50坪くらいの一戸建ての住宅への憧れがあってね。私なんか東京のガチャガチャしたところで育ったから、そんなのちっとも面白くない。駅から10分も歩くなんて冗談じゃないし、家を出て5分以内になにもないなんて。
山崎 この本にも書いたけど、東京にいる人のほとんどが地方出身者。街を経験したことがない。都市文明に対する味覚障害なのです。要するにオギャーと生まれて、どこかの田舎町で育って、自分の親もそうで、街を知らない。いってみれば、ハンバーガーしか食ってないから他の味がわからない。ハンバーガーは体に悪いと気づいた時にはもう遅い。こういう話ですね。都市文明がないんだけど、ないことに気付かないということは、その人間自体に都市文明を感じる味覚がない。
江里口 味覚がない親=団塊世代が郊外に住んで、その子どもたちもない。
山崎 そういう人は財産形成できなくて滅びていくのでしょうね。財産形成できる人とできない人、金持ち父さんと貧乏父さんの違いって、持っている文明だと思う。もう一つ絶対重要なのが教育環境。教育環境の悪い街は絶対ダメ。最近、信じられないような事件が起こるけど、あれは教育環境が悪いから。
江里口 そういえば昔、殺人事件が起きたりすると、親父がああいうところに住んじゃいけないって言っていました。昔の人はそういうことを大事にしていたのだね。それに、ここは江戸時代に処刑場だったとか、と殺場だったとか、いろいろ聞いた。
山崎 街の歴史を調べて買うっていうことはすごく大事だと思うんだけどなぁ。街の格 っていうのは、江戸時代からちゃんと決まっているのです。いずれにせよ、不動産というのは、アパートを建てるにしても、不動産投資をするにしても、マイホームを買うにしても、すべて投資ですよ。日本がこれから成長するとは、もう誰も思っていない。中産階級も消えていく。老後の自分の財産どうするの。年金だって国はちゃんと管理してくれないし、自分で自分を守るしかない。そうすると、もう不動産しかない。どこに不動産を持っているかで勝負がついちゃう。
江里口 次はどんな本を書こうと?
山崎 私の場合、不動産遍歴というか、不動産をめぐるテーマの変遷があるんだけれど、最初は税務でした。建築と不動産は実務でやっているからもういい。1995年に書いた『不滅の土地活用』が私のデビュー作。これを書いた時点で税理士を超えたと思いましたね。
江里口 バブルの奈落の底に落ちた頃ですね。
山崎 税理士は不動産のことを何もわかっていないし、財務分析を知らない。だから税務と財務分析と不動産をミックスした本を書いて、こうやって土地活用とか相続対策をしないと破綻しちゃいますよと。節税ばかりで貸家建付け地を建てまくるとアウトですよと。そうやって、自分自身はまず頭を整理したわけです。その次が法律。
江里口 我々はFP業界だから、ここで山崎さんを知ったのですね。
山崎 法律に入って、民法とか遺産分割とか遺言の制度だとか。いまだに遺産分割協議書のほうが遺言書より強いということを知らない人がたくさんいるし、そのレベルですよ。遺言書はあくまでも保険であって、遺産分割協議書が成立しなかったときに使えばいい。基本は遺産分割協議書です。だってもめなければ別に遺言書どおりやる必要はないんだから。それに、資産家ともなると債務もあるわけですが、債務は共同相続です。所有権については遺言を書けるけど、債務の場合は債権者の承諾が要る。遺言書なんて作ったってその通りいかないわけですよ。実務をやっていればそんなことわかるわけ。ところが、当時この本を書いたときに、日本中の弁護士やら司法書士やらが遺言書を書けといっていた。
江里口 いまでもそうですよ。金融機関が遺言書を書かせて財産をすべておさえちゃう。遺言書に基づいて相続をさせようと。
山崎 この本を出して、私の中では法律を卒業したつもりになった。今度は今のテーマ、鑑定理論なんです。鑑定理論では収益還元法というのがいちばんの難物ですね。収益還元法の本を5冊書いたけど、これは永遠のテーマ、やっぱり難しい。
江里口 では今後もそのテーマを?
山崎 今回でやっと、自分の中で収益還元法が終わったのです。次は最有効利用ですね。専門用語でいうと最有効使用。ある街のある立地条件にある不動産を、資産として最も効率よく利用するにはどうしたらいいか、不動産鑑定士には説明できない。最有効は、賃貸の最有効か分譲の最有効か、収益性か換金性か。私は両方の世界でやってきたので、この視点が身についています。でも、書く以上はおもしろおかしく書かないといけない。こんな賃貸マンションを作ったら失敗しちゃった。こんな分譲マンションを作ったら失敗しちゃった。失敗と成功はどこが分かれ道だったんだろう。最有効がわかってなかったんだね、というロジック。これが書けたら、鑑定理論は終わり。
江里口 その次は何ですか?
山崎 地上げ。借地借家法。だだっ広いところにボコボコ建てる時代は終わって、今は再開発の時代。再開発には必ず権利調整業務が発生します。その体系的な本は1冊も出ていない。弁護士は法律でしか攻めていけないけど、我々は建築から攻められる。弁護士とは違うスタイルでいける。耐震診断をやって権利調整をするというテクニックが最近はやってきていますが、調整するには借地借家法の知識だけではなくて、建築基準法だとか税法も必要。弁護士との業際問題もあるし。そこらへんにきちんと道筋をつけてあげられる本が1冊書けたら隠居ですね。これが山崎隆のコンサルティング体系なんです。
江里口 我々FPも弁護士や税理士との業際問題がさかんに言われます。
山崎 みんな自分の利権ばっかり守ろうとして、それが今の日本の閉塞状態を生んでいるんですよ。
江里口 日本は欧米よりも個人主義的になりましたね。
山崎 宗教がないからでしょう。宗教がないから価値判断のベンチマークがない。個人主義というか、利己主義になっている。変な話、ボロ儲けしようと思えば、方法はあるんですよ。どこかの会社とくっついて、不動産投資は絶対儲かりますよとやればいい。でも、それをやってしまえばコンサル会社ではなくなるし、自分だけ儲けて次の世代が貧乏になったというのでは、まずいと思うんだよね。そんな金だけおっかけていいのかなといつも思う。社会貢献意識も持っていたい。何より、テクニックの前にまずモラルとか思想とか、そのテクニックが正しいか正しくないかという価値判断が必要です。たとえば核分裂というのはテクニックだけれども、それを使うのがいいか悪いかというのを判断する哲学とか思想とか宗教がないとダメ。コンサル会社がいちばんヤバイのは、テクニックに走ってしまってそのテクニックを使うべきかどうかという判断基準がないことです。判断基準は宗教しかないから、そこを固めていかないと。
江里口 そうすると、山崎隆のコンサルは宗教を目指す?
山崎 そうだね。地上げが終わったら、隠居しながら宗教を目指すか。
江里口 若者が将来ちゃんと明るく生きていくための宗教をね。
山崎 それ、いいですね。若人が明るく生きていけるように。本物の財産というのは知的財産だと思うんです。モノじゃない。江戸時代で言えば、武士道というのが一つの資産なわけで、 私は武士道という価値体系の中に生きている人間だ ということに価値がある。
江里口 武士道の復活ですね。いちばん今の世の中を狂わせているのは我々団塊の世代とその下、山崎さんの世代ですよ。
山崎 官僚の世界でもどこでも、もう我々が中核ですからね。ただ、武士道の復活なんていっても、乞食をやるわけにいかないし…。でも実のところはね、おかげさまでここまで順調で、本を書けばそこそこ売れるものだから、貧乏作家も悪くないかなと思っているんです。山の中にこもって、そのかわり強烈な思想をそこから発信する。結構、武士道の本って売れているんだよね。武士道精神で資産運用せよ、なんていう本を書いたら、それはそれでまた売れたりして。まだちょっと早いかな。さっき言ったように、最有効と地上げあたりまできちっと不動産の理論を固めて、その先ですね。貧乏作家やりながら日本を変えていくというのも、ライフワークとして面白いかもしれない。もうやりたいことはやっちゃったし、食べたいものも食べて、ひととおりやっちゃったら執着がなくなってきたというか、煩悩がだんだん消えていく自分がいるんだよね。
江里口 いよいよ解脱ですか。余生は宗教家で貧乏作家、面白そうですね。これからの著作が楽しみです。今日はありがとうございました。


インタビュー

不動産取得はまず事業用からはじめる時代に


マイホームは賃貸派か所有派かの議論を超えて、マイホームは事業用不動産の取得かどうかが問われている時代になった
財団法人日本賃貸住宅管理協会 常務理事
株式会社アミックス 代表取締役社長
末永 照雄さん
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――末永さんは、日本賃貸住宅管理協会の常務理事として、また株式会社アミックスの社長として、日本の不動産賃貸管理業界の第一線にいらっしゃいますが、最近の新しい動きについておうかがいしたいと思います。不動産投資で新しいタイプのオーナーが増えているそうですね。一つは併用住宅アパートとか、庭先アパートを建てる人。大地主じゃなくて、たまたま親が都心に60坪持っていただけ。1、2階をアパートにして3階に住むとか、そういう併用庭先アパートの新規オーナーさんが増えています。もう一つは、年金があてにならないというので、自分年金向けに、土地から1棟まるごと全額融資で購入する人。利回りなんて2〜3%もないけど、まあ一応家賃保証がついているから、30年後に自分の土地になりアパートになるのだからいいよと。こういう投資型のアパート経営者がぞろぞろ増えている。そのための研修や本が爆発的に売れているというのです。そんな動きを、末永さんはどのように見ておられますか?
末永 併用住宅については、入居者の権利意識が高くなってきているので、家主さんの煩わしさが結構な負担になるのではと危惧しています。できるなら住まいと賃貸経営というビジネスの場であるアパートは一緒でないほうがいいというのが私の持論。たとえば建築のクオリティの面でも、自宅は自分が長く住むものだから高いクオリティが必要だけれど、賃貸住宅は費用対効果を考えてあるバランスの中でのクオリティでいい。そういうことを考えると、同じ一つの建物に二つの目的を持たせるのはあまり勧められない。ただ現実問題として、3階建て住宅が可能になって、併用アパートがブームなのは事実だし、この流れは止められないと思います。しかし、せっかくマイホームを建築したのに、そのことで管理業の煩わしさを背負い込んでしまうのは気の毒な話。賃貸経営にどう関わるかをよく考えてほしいですね。もし煩わしいのであれば、管理会社を入れるなどして、同じ建物であっても一切関知しないような仕組みを作るべき。自分が家主としての義務を全面に負わないような形を作るのもひとつですね。あるいは逆に、管理業を楽しむという考え方もできます。特に留学生などに部屋を貸したりすれば、そこから世界が広がっていくこともある。私も個人的に留学生の支援をしていますけど、その後シンガポールでプライベートバンクのアドバイザーになった人もいます。様々な相談をされたり、少なくともその国に行ったときにご家族に歓待してもらっていい旅行ができたとか。そういうふうに、家主業を自分の人生を豊かにするものとして捉えていくのも一つだし、その人その人によって、入居者との関わり方を十分に考えて、関わり方のスタンスを決めたほうがいいと思います。
――ユーザーの立場からも、直接家主さんとの関係よりは、管理会社が入ったほうが住みやすいということもあるかもしれません。
末永 そうかもしれません。ただ、家主としても入居者が入れ替わればそれだけコストアップになりますから、入れ替えを少しでも抑える努力は必要。解約抑制ということを考えれば、家主さんが住みやすい環境を積極的に作ってあげることも大切です。たとえば家主さんが農家であれば自分の畑で採れたものを配ったりね。そういうきめの細かい家主業をやって、入居者との人間関係を深めて長く住んでもらおうというようなやり方もあるわけです。これは、昔のように一つではありません。多様化している。併用型の小さいアパートの良さをどう作っていくかと考えれば、むしろウェットな部分を演出していくのも作戦ですよね。だから、多様化したニーズが、あるいはお客様の志向がある中で、どのスタンスでいくかということを家主自身がきちんと選ぶことが大事だと思いますね。そこを、スタートするときに自分でよく考えて、自分なりの道を選んでほしいとアドバイスしたいです。
――ありがとうございました。あともう一つ、アパート1棟買いがローン付きで飛ぶように売れている現象については何か?
末永 基本的には少子化ですから、アパート経営の将来は楽観的ではない。家賃も上がるとは考えにくいわけで、だんだん下がっていく可能性が高い。そういう中でアパート経営をどう成功させるかです。まず場所は少子化の中でも人口が減らない地域を慎重に探すといいですね。
――まず場所ですね。
末永 やはり基本的には東京圏だと思います。地方であれば地方の大都市。厳しい経済環境の中で成功するには立地が重要です。もう一つは、右肩上がりのときであったら強気ですけど、今の非常に難しい環境下で投資をするわけですから、割安に取得する、つまり初期投資をいかに抑えるかがカギとなるでしょう。そういう意味では新築物件は比較的割高ですから、中古物件がいい。ただし、中古物件は見極めが難しいということもあります。
――入居者の質もあれば、家賃の未払いもあります。地方に工場が進出して、それに合わせてものすごい勢いで建売分譲やアパートが建った地域は、その工場の従業員解雇とか操業停止とか、リスクがありますね。
末永 昔も学校の近くに寮や学生向けのアパートを建てて、一時的には成功したけれども、周りの地主がみんな真似をしたら、一気に供給過剰になって失敗をしたケースがありました。限られた需要を目当てに長期経営をするのは大変なリスクです。美味しい話には自分だけでなく、皆ものってきます。いま美味しいからといって5年、10年ずっと美味しいかはわからない。不動産は投資期間が長いですから、短期的ないい悪いとか、需要があるからということで始めると失敗します。特に、地主さんにとって土地のコストはゼロ。土地コストがただの人と競争するわけですから、勝てるはずがない。絶対勝てません。だから、周りに空き地がいっぱいあるようなところは、たとえ今あるアパートが満杯であっても、空き地の地主さんがみんなアパートをやるようになれば、そのメリットは小さくなっていくでしょう。実は、5、6年前に不動産市況が悪くなったとき、郊外の駅から遠いところのマンションを安く買いました。地主さんが破綻してしまって、自宅と3階建ての1棟マンションを手放したのですが、自宅のほうは木造でしたから、建売り屋が土地値で買ったんです。でも賃貸マンションのほうは買い手がつかなかった。それを私は「更地価格マイナス立退き料マイナス解体費用」で買ったんです。その値段というのは、そのマンションの新築価格よりも安かったんです。
――めちゃくちゃ安い買い物ですね。
末永 私はマンションの建築費よりも安く買っていますから、私の真似をしようにも周りの地主さんはできないんです。買ったマンションの周りは空き地だらけですが、あそこはうまくいってるからやりたいと思っても投資コストがあわない。これは一例ですが、初期投資コストを落とすことが、いかに重要かということがわかると思います。私も講演でよく話しますが、いい物件であるかということといい投資であるかということは別モノ。駅から近くて設備がいい、確かにそれはいい物件かもしれない。でもそれがいい投資とは限らない。投資というのはリターンの話ですから、逆も真であって、競争力の弱い物件であってもそれを思い切り安く買うことができれば、非常に魅力的な投資にもなり得るということなんです。これからの買い手市場を考えると、初期投資をいかに安く抑えるか、安く物件を購入できるかどうかが非常に重要ですね。
――いま30代、40代の人たちの間で、不動産投資講座がはやっています。そういった若い層になにかアドバイスはありますか?
末永 日本では、一生に一つ不動産=マイホームを買うチャンスがあります。普通の人にも一生に1回のチャンスはある。昔はとにかく無理をしてでもマイホームを買うことができれば、それが わらしべ長者 のようにどんどん価値が膨らんでいって、買い換えていくことで、最後は資産家になれるチャンスがあった。だから、とにかく一つ目は文句言わないで無理してでも買いなさいよと、わらしべは掴まなくてはだめだよというのが鉄則でした。でも、今はそうではなくて、不動産は基本的には下がっていきますから、買い換えるということが非常に困難です。そういう中で一生に1回買うチャンスがあるとしたら、そのチャンスを何に使うかが問題になってきます。以前はマンションを買って、それを転売して郊外の一戸建てに住むという一つの住宅取得モデルがありました。いまそれがなくなって、よくファミリーマンションは永住型と言われますが、あれは転売できないから永住型と言われているだけ。永住型というのは永住するほど快適という意味ではなくて、もうそこから逃げられないよと言っているのです。
――あなたは最後まで、ローンが終わるまでここにいるんですよと。
末永 そういう意味なのです。だから、私から言わせると、その1回買うチャンスを何に使うかですね。都心部の2DKを買うという選択もある。どうしてかというと、都心部の2DKを新婚時代に買ってそこに住み、子どもが生まれてファミリーのときは2DKは人に貸してその賃料で別の広い賃貸に住む。老後になったらまたそこに戻ってこようということ。そうすると、老後には自分のマンションで生活できる。DINKSが狭くても都心部のマンションを選ぶのとは少し違うのだけど、そういう選択もある。あるいは、マンションは我慢して郊外の戸建てを買うという選択もある。私は一つ新しいライフスタイルとして、一つ買うチャンスを事業用不動産に充てるという考えもあると思うのです。なぜかというと、住宅というのはやはりライフスタイルに応じて、職場に応じて住み替えていかなくてはいけない。それなのにたった一つのマイホームに固定するというのは、非常に不経済です。自宅を転勤中に人に貸すことはできても、それは非常に非効率的な投資になるのですね。したがって、買うものがアパート、自分は一生そこからあがる家賃収入で自分にあった住宅を住み替えていくという新しいライフスタイルがあっていいと思うのです。今の30代、40代の方もまだそこまで踏み込んではいないけど、予備軍だといえるでしょう。
――これからの30代、40代の間では賃貸派・所有派の枠を飛び越えて、不動産はまず事業用という認識も広まってくるかもしれませんね。大分わかってきているのでは。
末永 非常に面白いですね。私はそういう一つのライフスタイルを持っていただいて、自宅は一生賃貸、でも自分は不動産のオーナーというスタイルをお勧めします。日本の税制からいってもそのほうが圧倒的に有利です。
――そうすると、マイホームを持つのはやめようというアピールですね。
末永 幸運な方はともかく、普通の人は一生に1回しか買うチャンスがないわけです。マイホームを買った人はそれで終わりだけれど、事業用不動産を買った人は、もしかしたら二つ目、三つ目を買うチャンスがあるかもしれない。もっといえば、事業用不動産を買って資金的なゆとりができれば、マイホームはいつでも買えますよ。私自身はといえば、事業用不動産は7〜8棟持ってますけど、いまだに賃貸住宅に住んでいます。去年、新浦安に140m2の分譲マンションをつい買ってしまったのですけど、住む勇気がなくて、すぐ売ってしまいました。
――仕事柄、住むところに欲がないということはありませんか?
末永 自分の可能性を縛られたくないのです。将来、海外に住むかもしれないし、子どもたちの学校のことを考えると、買ってしまうとそこから通わなくてはいけない。私は縛られたくないだけなのです。だけど、実際には、圧倒的に事業用不動産を買うほうが有利だという単純な理由ですよね。事業用不動産だったら買い増しできる。マイホームを買ってしまうと、非常に負担が大きい。分譲マンションの営業というのは、賃貸マンションに住んでいる一次取得者がモデルルームにきたら、家賃いくらですか、そうですか、毎月の返済がいくらいくらで、家賃よりも安いローン返済でかつ快適なマンションに住めるのですよと勧めるわけです。あれには秘密があって、あれは35年間ずっと住み続けた場合の35年後の話であって、途中の5年後とか10年後のある時点で比較してみたら、賃貸のほうが圧倒的に有利なのです。なぜかというと、分譲マンションは買った瞬間に2割下がるわけですよね。自宅を35年ローンで買うということは、35年間住み続ける覚悟というか、自信というか、その魅力が本当にあるかどうかの見極めだと思います。
――マイホームを買ってしまったら、そこで人生を型にはめられる。ところが自分の意志とは関係なく会社が倒産したり、リストラにあったり、引っ越したり…、どうなるかわからないですよね。
末永 だけど、最終的にどうなるかは別として、本当に私はここに一生住みたいっていう覚悟があればマイホームもいい。でも軽い気持ちで、比較表を見てこっちが得だからというような生易しい覚悟ではだめだと思いますね。少なくとも35年間のローンで買うというときには、俺はここに35年間住み続ければ幸せな人生を送れるんだという本当の納得があってほしい。住宅を買うときは、まさに永住の覚悟があるかないかで判断すべきです。
――永住のマイホームとしてでなく、都市部に50 m2くらいの1LDK、2LDKを持っていれば、15万〜20万で貸せます。その15万があったら、郊外なら一戸建てでもなんでも借りられます。そういうのもありなんでしょうね。
末永 住み方も多様化されてくると思います。将来は世帯数が減少していくので、戸建てが余ってきます。そうなれば、戸建ての賃貸化も進むでしょう。郊外の一戸建てに住みたいから分譲住宅を買うという方は多いけど、中古の一戸建て住宅の賃貸というのも出てくるのではないですか。たとえば多摩ニュータウンあたりでも。
――多摩ニュータウンなんかのお客さんをみていると、一戸建てに住んでいて手入れがたいへんだからマンションに住みたい。一方、マンションに住んいても、こんな多摩ニュータウンの100m2なんかつまらない、都心に行きたいと。非常にその辺の動きが変わってきています。都心回帰というのはこの十何年、もうどんどん始まっています。
末永 そういう意味ではあまり形にこだわらなくていい。全員がマイホーム持たずにアパートを持てばいいかというとそんなことはありません。形じゃなくて、いろんな考えややり方がある。自分に合ったライフスタイル、住宅投資、マイホームの住み方をちゃんとよく考えておくといい。特に若い方には、自分でよく考えてほしいと思います。
――ライフスタイルの選択肢が広がっている中で、 不動産はまず事業用から というのは新鮮ですね。たいへん面白いお話をありがとうございました。


特集

データで見る相続最新事情パート3

ここ数年、書店には不動産投資に関する書籍が激増しており、実際に投資する人々も増加する一方と言われていた。しかし、米国サブプライムローンに端を発する世界同時金融危機の影響で、日本の不動産価格は下落傾向に転じてしまった。20 世紀末のバブル崩壊の再来という見方もあるが、その一方で、この下落をチャンスと見た個人投資家の新規参入もあるようで、不動産投資セミナーはかなりの盛況ぶりを見せている。
インターネットで収益物件の逆オークションサイト『不動産投資の楽待』を運営している(株)ファーストロジックは2008年11 月中旬に投資家のニーズ統計結果を公表した。今回はその結果を基に、不動産投資の最新事情を見ていきたい。
○投資価格5000万円〜3億円の価格帯で過半を占める
この調査は約2700人の投資家に対して行われたもので、統計期間は07年1月1日〜08年10月20日である。 投資の希望価格帯で最も人気を博したのは、「1億円以上2億円未満」で21%を占め、二番目に多かったのは、「5000万円以上1億円未満」の20%であり、この2つの価格帯を合計すると41%を占め、「2億円以上3億円未満」の9%を加えると、この3つの価格帯である「5000万円〜3億円」で50%を占めることになる。また、「1000万円未満」が13%、「1000万円以上2000万円未満」が10%で、この2つの低価格帯で23%となり、二極化の様相を呈していることがわかる(図表1参照)。
○一棟物の希望が圧倒的
投資希望物件の種別に関するデータは図表2である。これによると、何と一棟の希望者が77%を占め、圧倒的なシェアを持つ。一棟マンションやアパートの保有は区分所有物件を複数保有するよりも、利回り面で良くなることが多いことや、一棟オーナーというステータス感が理由として挙げられるだろう。
投資アドバイザーによっては、リスク分散の観点から、一棟物よりも複数の区分所有を持つことを勧める人もいるが、世の中の趨勢は一棟物に傾いている。
調査会社は、区分所有のメリットは低価格帯での購入が可であることを指摘している。また、前回の調査と比較して、一棟が75↓77%と増加したが、土地が6%↓4%に減少したという。
○用途は共同住宅が過半を占めるが、部屋タイプと構造にはこだわりなし
図表3は用途に関するデータである。共同住宅の希望者が全体の61%を占めているが、前回の調査の78%から下落している。増加したのは用途にこだわりなしの層で17%から36%に増加したという。共同住宅の既購入層は新たな用途の投資にチャレンジしたいという意欲を持っていることが想像できる。ただし、店舗や事務所は合計で3%に留まっている。空室時のリスクの高さや景気の波を受けやすいことが人気のない理由と思われる。
部屋の希望に関するデータが図表4である。ワンルームが15%、ファミリーが11%だが、「こだわりなし」が74%と圧倒的多数を示している。調査会社は、投資を目的として物件を購入するため、地域の需要にマッチしていれば、部屋のタイプにこだわらないという投資家が多いと、分析している。この傾向は前回の調査と不変という。
構造の希望に関するデータが図表5である。RCの希望が46%と目立つが、このデータも「こだわりなし」が50%と最多を示している。後述するが、構造よりも利回りなどの他の条件を重視する投資家が多いようだ。 ○希望利回りは最低でも8%以上
図表6は、投資家の希望利回りを表している。それによると、「10%以上11%未満」の利回りを希望する層が全体の35%を占めている。また、8%以下の利回りを希望する層は少なく、全体で12%しかない。このデータは投資家の求める利回りは最低でも8%以上という条件であることを示している。
一方、『楽待』に登録された物件の利回りは「8%以上9%未満」が最も多く、投資家の希望とは差があり、投資家が物件を購入するには、かなりの手間暇がかかることが想像できる。
希望物件の所在地を表したデータが図表7である。ご覧のとおり、東京都が他都道府県と比較して圧倒的に多く、全体の36%を占めている。一都三県(首都圏)までエリアを拡大すると59%に達し、この地区の人気の高さがうかがえる。前回の調査と比較すると、東京都が22%↓36%、首都圏が50%↓59%とそれぞれ拡大し、不動産投資の首都圏一局集中がますます高まっている。
同調査では投資家の年齢層に関するデータはないが、他の不動産投資サイトを運営する者に聞いたところでは、30代前半から40代後半までの年代層がコアだという。また職業別ではエンジニアと営業職が目立つという結果を教えてもらった。バブル時代とは明らかに異なった新投資家層が台頭していると言えるだろう。リスク性金融商品の崩壊とも言える現象が現れ、キャピタルゲインよりもインカムゲインを重視する姿勢が高まっている傾向から、不動産投資ブームはますます拡大する様相を見せ始めている。
(編集室)


連載

現代によみがえる木賃アパート

本誌編集長 江里口吉雄
街の中に凛と佇む築50年の老朽木造アパートもまだ立派な現役の不動産である。サステイナブルな環境を形成する木造建築としても永らく生き続けていきたい。
○レトロな風呂なし木造アパートとは
不動産投資があらたなる時代に入った。従前からのオーソドックな不動産投資の事例を紹介しよう。都心から電車で15分ほど離れた大きな街中で駅からも徒歩5分ほどの好立地にある中古アパートを買ったAさんの事例は面白い。土地は僅かに90  。セットバックもあるので正味有効宅地は80 (24坪)ほどだ。Aさんがこのアパートを購入したのは今から25年前である。そのアパートは昭和33年に新築された築25年ほどの中古アパートだったそうだ。建物は2階建てで延べ床面積はちょうど100 である。1階は風呂付4Kプランが1戸、2階は風呂なしの1Kが3戸である。風呂なしといっても2階の1Kのプランは、畳の四畳半で押入れと小さなキッチンがあるだけで、トイレと洗面所は共同である。家賃は1階の4Kが15万円で2階の1Kが2万円ということで合計25万円である。建築当時の前面道路は幅員2・7mの大八車が通れる程度の道路である。その後、時代とともにその道路は、いわゆる二項道路として立派に舗装された道路に変貌している。
○不動産投資としてのアパートの利回りは
昭和の好き時代の中で日本の高度成長とともに生きてきた老朽アパートを不動産投資としてみるとどうなるのか。Aさんがこのアパートを購入したのは今から 25年前であるが、購入価格は2500万円であったという。購入当時の周辺の土地相場は坪150万円であったらしい。そうなると正味の土地の価格は坪104万円である。相場よりかなり安い買い物?と思うところだが、実はタネをあかせば借地であった。借地権としては70%ということになる。地代は購入当時から変わらず、年間36万円である。固定資産税は年間数千円とのこと。年間の収支は、262万円ほど。そうなると実質利回りは、なんと10・5%である。この利回りは土地を先祖代々から所有している地主さんが建てる新築アパートの建物だけの事業利回りにほぼ近いことになる。つまり、借地権ながら建物の代金がないためにこのような高利回りになっている。さらにAさんにとって幸運なできごとがあったのだ。数年前に地主の相続があり物納予定地ということで更新料は不要ということになった。そして、物納はなぜか取り下げられ更新料も地代の値上げもなく現在に至っているようだ。
○既存不適格であってもそこには文化がある
Aさんのアパートを建築基準法でみると典型的な既存不適格の建築物である。都市計画法上の敷地の規制は、用途が第1種低層住居専用地域であり、ケンペイ率 50%、容積率100%、準防火地区である。特に北側斜線は第1種高度地区でとても厳しいものである。行政からみれば老朽家屋というだけでなく、既存不適格の建物は早く建替えをと願っているかもしれない。このアパートの問題は、土地が正味80 という狭小敷地だけにとどまらない。半世紀前の路地裏のアパートが、セットバックとして道路後退することで90 から80 に削られ、ケンペイ率と容積率はもちろんのこと、敷地西側の道路から道路斜線、そして、敷地北側の北側斜線があり、いずれも既存の建物としてその基準をクリアできない。いわゆる違反建築である。Aさんは、老朽化ということで数年前に建替を考えたことがあるという。住宅メーカーの営業マンが敷地を調査してすぐに断られたという。なぜならば、建替えた場合の新築アパートは今のアパートの規模まで復元できないばかりか、立ち退き料や立ち退き交渉期間と工事期間で1年以上は家賃が止まることにもなるわけだ。事業収支も利回りが10%そこそこで現在と変わらない。また、資金を借り入れすればキャッシュフローは今の半分にもならないとのことだ。そうなると、もう建替は諦めて今のままで昭和の建物を生かすしか選択肢はないという結論になったようだ。
このアパートが建築された昭和33年といえば東京タワーができた頃で、ちょうど映画「三丁目の夕日」の時代でもある。当然アパート敷地の前の道路は、未舗装の道路であったであろう。路地裏で子供たちがメンコやベーゴマで遊んでいる姿が目に浮かぶ。
○民家再生として生きる木造建築
築50年と聞くと老朽建物で朽ち果てたイメージだが、Aさんの物件はそうではない。1階はもともとのオーナーの住まいであり、2階をアパートして建てたもので、今風にいえばいわゆる併用住宅である。また、屋根は建築当時の和風瓦からカラーベストコロニアルに葺き替えてあり雨漏りの様子はまったくないようだ。入居者も老人が多いのであるが、丁寧に使われていて建物の老朽化は表立ってあらわれていないのもいいようだ。もちろん耐震という問題は残るが、本来の木造建築は鉄筋コンクリートよりもその寿命は数段長い。明治・大正から昭和の初期に建築された日本の民家は、築100年経過してもびくともしない。そもそも木造建築の構造体である木材の強度は500年経っても変わらない。日本の歴史的建築物としての法隆寺は千年の歴史を刻んでいるのはいうまでもない。木造アパートとはいえ、日本の街の中で文化を形成してきた木造建築はひとつの民家として生きていくものであり、まさに現代によみがえる木造建築としていつまでも街の好き環境の中でサステイナブル(持続可能な)なる存在として生きていくべきだろう。Aさんのこの木造アパートは、これからも民家再生としていつまでも生きてほしい木造建築のひとつだろう。


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