「不動産オークションという新たな選択肢を」
IDU 池添吉則 代表取締役社長兼CEOに聞く
“相続人はプロの意識と眼を持つ”
不動産オークションという仕組みと市場が注目を集めている。売りに出された不動産に対して複数の人が希望価格を提示し、一番高値の人が落札するという新たな不動産流通システムだ。この不動産オークションは、いま相続の現場でも積極的に活用されつつある。不動産オークションのリーディングカンパニーで、「マザーズオークション」を立ち上げたIDUの池添吉則社長にお話をうかがった。
“不動産オークションは、1999年に幕を開けた”
―― IDUさんと言えば、不動産オークションの「マザーズオークション」がすぐに頭に浮かびます。最近では美輪明宏さんのテレビCMが印象的ですね。なぜ不動産オークションを始められたのですか。
池添 日本において不動産オークションというビジネスは1999年に幕を開けました。この年、不動産公正取引協議会が不動産オークションを解禁したのです。実をいうと、欧米で不動産オークションは当たり前に行われてきましたが、日本では、個人や企業が破産したときに行われる裁判所の競売以外は認められていませんでした。
私は、不動産オークションが解禁されたことを受け、そこに大きなビジネスチャンスがあると思い、1999年にIDUを設立しました。2000年5月14 日、「母の日」に第1回目の不動産オークションを実施したこともあり、「マザーズオークション」と名づけました。インターネットを通じて不動産オークションを展開しています。税理士や会計士の方などを通じて、相続の現場でもご活用いただいています。
―― 2004年3月に東証マザーズに上場されるなど、急成長していらっしゃいますね。
池添 当初のマザーズオークションはIDUだけが使っていました。弊社が不動産仲介会社として売主から依頼を受け、その物件をインターネットオークションを通じて売却していたのです。
しかし、昨年にビジネスモデルを大きく転換しました。
(・・・続きは本誌アポジオvol.3で)
江里口吉雄・本誌編集長
今年は、ホリエモンから始まり村上ファンドの村上世彰代表の逮捕、さらには日銀の福井俊彦総裁まで登場するなど、金融市場のコンプライアンス(法令順守)の話題はとても賑やかです。そして、コンプライアンスに抵触しなければモラル(道徳的)はどうでもいいといった風潮がどこかあるようで、いわゆるモラルの低下と言われる問題につながります。 「モラル」を広辞苑でのぞいてみるとまず「道徳・倫理・習俗」とあり、次に「道徳を単に一般的な規律としてではなく、自己の生き方と密着させて具体化したところに生まれる思想や態度」となっています。英語のモラル(倫理・道徳の意)と仏語のモラール(志気・気力)の語源をみると、ラテン語では「社会の慣習的な考え方、精神のあり方を示すもの」という意味があるようです。
モラルやコンプライアンスの問題は行政でもかなり目立ちます。各省庁の税金や年金の無駄遣いから始まり警察の裏金錬金術までそれはそれはもう留まるところを知りません。
ただこれらはモラル問題でとまってしまい、いずれもコンプライアンス問題とはなっていません。理由は現在の日本の法律では悪徳代官を処罰できないからです。「不適切な・・・」「このうような事案で・・・」「・・・事象が起きて」の連発で頭を下げておしまいです。
いつ何時も「事案」「事象」と言うだけで「事件」「事故」とは決して発言しないのが行政です。そもそも行政にはコンプライアンス以前に法(罰則の)そのものがありませんので事件にも事故にもならないわけです。
(・・・続きは本誌アポジオvol.3で)
(・・・続きは本誌アポジオvol.3で)